自動車、家電、パソコンが今では当然になっているように、アメリカでこのウェルネスビジネスが本格的にスタートしている今、まさに日本においても産業として有望視されるのではなかろうか。
世界的に有名な経済学者がここまで、食と健康未来産業としてのウェルネスビジネスを力説する背景には、物あまり時代、飽食の時代が生んだ数々の病気に対する反省がある。
この点においては、現在の日本も同じ道を歩んでいるのではなかろうか。
なぜならば、日本でもかつて成人病といわれた生活習慣病は年々増え続けている。
また、糖尿病や痛風患者も日に日に増えて、今では予備軍まで含めて二一○○万人、実に国民の六人に一人と発表されているほどだから。
日本の四○代以上は、食事については比較的知識が豊富であり、気を使っている人が多い。
またアメリカにおいても一部の階層は、コマーシャルに左右されず、正しい情報を持ち、豊富な栄養知識を生かして健康的な食生活を営んでいる。
その「一部の」アメリカ人というのが、所得階層のトップにいるエリートたちである。
彼らは、自然食品を中心とした食事を率先して取り入れ、野菜はもちろん、寿司までも好んで食べる。
からだに有益でない食事や有害物質は徹底して排除している。
まさに、ウェルネスビジネスの台頭を意味している。
とりわけ、エリート意識の高い彼らにとって、太れば「自己管理ができていない」と判断されるため、高脂肪のものや甘いジュース類を口にすることは最大のタブーだ。
口にする飲料はリートたちというのは、所得でいえば中の上クラス(年収五万ドル以上)の階層で、全体で今、アメリカでは所得階層の上下差が大きく広がった社会構造となっている。
上と下との階の差は、食習慣も教育も含めて大きくかけ離れてしまっている。
先ほどのピルッァーの指摘の三割くらいにあたる。
残念なことに、私たちが食べている食料品の実に七割以上が輸入品である。
おまけに、化学物質添加(香料、合成着色料、安定剤など)によってできあがるものがほとんどという事実。
加工品の表示をみれば、一目瞭然である。
日本国内では本当に安心して飲める水や農作物はますます不足しはじめている。
海や河川、土壌さらには大気等の汚染で、私たちが住む日本の環境が悪化してきたことに起因している。
まさに、二○世紀の大量生産・大量消費・大量廃棄をベースにした社会経済システムのツケである。
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